2024/08/13
- ruborvini
- 2025年12月31日
- 読了時間: 2分
真夏のあぜ道に、ひゅうと風が吹く。
滑らかなトップスの袖が、肌に擦れて心地いい。
毎年必ず訪れる、駄菓子屋の軒先は、小さな日陰で日光を凌ぐのにちょうどいい。
入口からは、僅かな冷たさが漂ってきて、どこか気持ち良い。
-ある専門学生の盆帰り-
中腰の姿勢で、棚を眺める女の子。水色のパーカーはだぼだぼで、深く被ったフードにはウサギの顔と大きな垂れ耳がついている。
そこから数歩離れたところで、スマホをいじっている男性。ハーフリムの眼鏡、1つ結びにした後ろ髪。
少々退屈そうな顔をしていたお兄さんは、こちらに気づいて。
「あ、ハッちゃん。もしかして、家まで行って戻ってきたの」
「そーだよナナミン! よかった~合流できて!」
大きな声に、水色のウサギがびくんと震えて、それからこちらを見る。
振り返った少女は、少し血色の薄い顔。うるうるとした瞳で、こちらを見つめて。
「あ……天使さんだ」
「うん、天使さん……ほのかだよ。一年ぶりだね」
コハルちゃんはこちらへ駆けてきて、辺りをちらちら見回してから、フードを脱ぐ。
低い位置で結んだツインテールが、ふわっと舞う。
「えと……あの、ういさんの家にお泊まり、だよね。よろしくお願いします」
カクカクしたぎこちない振る舞いで、ぺこっと頭を下げて。
うさぎの耳が跳ねる、黒くて大きなリュックが揺れる。それから視線だけこちらに向けて、反応を伺っている。
まあまあ、そんなにかしこまらなくてもいいって。
「あたしも、ういさんちに泊まらせてもらう側だよ、もっとラフでだいじょぶだから」
「はい……よろしく」
【The story goes on……】


